毎年9月に一週間、オランダのWarmenhuizenにある本社で開催されるBejoのOpen Daysには、世界80ヵ国から約5,000人の方が訪れます。イベントは一週間ですが、このイベントの成功のために様々な部署の同僚たちは一年を通して仕事に励んでいると、マーケティング・コミュニケーション部のマネージャーであるMirjam Bothは話します。

さらにセールスディレクターのMartin van der Voortは、このイベントに関わるのは専門のチームだけではないと言います。「Open Daysの期間中は、会社総出でアクティブに活動しています。ですから、非常に多くの方にお越しいただけることを大変嬉しく思っています。」

全ての来場者が遠方から訪れたわけではありません。毎年、農業や関連する分野を学んでいる200人ほどの学生がイベントを訪れ、他の来場者と同様にガイドツアーや試験圃場を見学しています。これによって、最新技術や科学が現代の野菜や種子の生産をどのように推進しているのか、次の世代が実際に目にする機会を得ることができます。

ミツバチ

Bejoが将来に目を向けている分野は他にもあります。それは、種子作物の受粉におけるミツバチの果たす役割の大きさです。我々は世界中に20人のビー・キーパー(養蜂家)を雇用しており、オランダ国内だけでも1,000以上の蜂群(コロニー)があります。果菜類展示会場の温室では、ミツバチヘギイタダニ(バロアダニ)に対するミツバチの自然抵抗性を高める品種改良プログラムをはじめ、ミツバチの個体数を減少させてきたミツバチヘギイタダニの脅威に対抗すべくBejoが行なっている取り組みについて、さらに深く知っていただくことができました。

新品種

もちろん、来場者の多くは最新の品種を見るためにOpen Daysを訪れており、それは今年も同様でした。Bejoは、50作物1,200品種以上の品揃えに加えて、毎年30から40にも及ぶ新しい品種を紹介しています。今年特に注目を集めたハイライトをいくつか紹介します。

・Aranka ―新しいバンチングタイプのミニニンジンです。風味が非常に優れており、野菜スティックに最適です。生育期間が短く、長い期間播種と収穫が行えることから幅広い用途に使用できます。

・Redlander ―べと病への高い抵抗性を持つ、市場で初めてで唯一の交配種である赤タマネギです。フレッシュで爽やかな味わいと鮮やかで美しい内部色を持ち、The 2019 Fruit Logistica Innovation Awardにノミネートされました。

・Boga ―有機栽培向けの中早生品種のタマネギです。セット栽培用で、高い生産性とべと病への抵抗性を兼ね備えています。

・ブッシュタイプセロリ(Blanched celery) Cumbia(Bejo 3163) ―葉が非常にみずみずしく、セプトリアへの中抵抗性も備えているので、秋の作付けや有機栽培に最適です。

200以上の品種がオーガニック種子として使用可能です。22年間にわたる経験の中で、Bejoはオーガニックと一般的な(非有機)栽培両方の生産システムから学んだ最適な方法を応用しています。これは化学的な種子処理という選択肢が狭まるにつれ、ますますその重要性を高めています。我々は種子の検査、選別、処理のための新しい技術に積極的に投資を行っており、その結果Bejoは、温湯処理や蒸気殺菌を利用した種子の消毒など、化学物質を使用しない種子処理のスペシャリストとなっています。

こうした技術は、Bejoの開発研究室によりサポートされており、Open Daysの来場者にはこれらの施設や、1万平方メートルの広さを誇る最先端の種子倉庫も含めて見学していただくことができました。また、種子の生産、作物の受粉から農場における植え付けまで全ての工程における品質保持の方法についてより深く知りたい方には、「Exploring seed: from seed to seedling(タネの探求、タネから健全な苗に育つまで)」と題したシンポジウムに参加していただくこともできました。希望者の皆様に参加していただけるようOpen Daysの期間中に2回開催されましたが、木曜日に開催した2回目のシンポジウムは立見席のみで実施されるほど、大変な人気を博しました。

イノベーション&インスピレーション

イノベーションは、新しい作物の遺伝学や種子の品質向上にとどまりません。Bejoはサプライチェーン全体のパートナーや企業と協力し、生鮮食品の新しいアイデアやコンセプトの開発に常に取り組んでいます。Open Daysでは、そのようなコンセプトや食べ方に関するアイデアのいくつかが展示され、試食していただくこともできました。例えば、赤キャベツのムースやトレビスのフライ、発酵させたキャベツやレッドビーツ、生姜漬けのジュースから作られた、健康的な野菜の「ショット(杯)」などの珍しいメニューも含まれました。軽食コーナーでは、クールラップ(キャベツロール)やクールキャロットキャンディー(スナックキャロット)、コリスピー(スティックコールラビ)などのBejoのキー・コンセプトに基づくアイテムを提供しました。来場者は自由に持ち出すことができ、お好きな時に楽しんでいただくことができました。

Mirjamはこのように話しています。「Bejoの野菜を使った新しいアイデアによって、来場者の皆様にひらめきを感じていただけるように工夫しました。私たちは、常に市場において新しいアイデアを探しています。バリューチェーン全体に関わることで、例えば小売業者やシェフだけでなく、飲食等の食品事業のパートナーとも意見を交わす機会につながります。」

現在、食品やその生産過程に多くの関心が寄せられており、Bejoのような会社にとっては、まさにサプライチェーンの直下で起こっていることのように感じられています。Open DaysはBejoにとって、世界中のお客様や顧客と繋がることのできる重要な機会であるだけでなく、Bejoについてできるだけ多くの方に伝え、届けるための大切な手段でもあります。「Open Daysの準備にはかなりの労力を要しますが、それらが一体となった時に価値が生まれます。」とMirjamは加えます。「我々はこれからも長く続けていきたいと願っています。」