Bejoは、9月末にWarmenhuizenで開催されるOpen Daysに合わせて毎年開催している技術セミナーを今年も開催しました。しかしながら、今年のテーマはいつもと少し異なり「タネの探求:タネから健全な苗に育つまで」でした!

Bejoは種苗会社ですが、ニンジンやタマネギといった特定の作物に関する技術的な部分ではなく、種子生産や種子の品質など広く一般的なトピックに焦点を当てたシンポジウムはこれが初めてであると、Bejoの西ヨーロッパにおけるエリアビジネスマネージャー、Christine Jongは指摘しました。

食料や農業のバリューチェーンにおいて、種子の生産・加工についても他の部門と同様に規制の変更や新技術の革新に直面し、急速にその変化に適応しています。そのため今回のセミナーは生産者やアドバイザーの興味を引くトピックであり、希望者全員に参加していただけるよう、同じ内容で二日間に渡って開催しました。

イベント中には三つのカギとなるテーマが出てきました。Bejoがどのように高品質の種子を生産し保管しているのか、農薬(植物保護製品: plant protection products)規制の変化が利用可能な種子処理にどのような影響を与えているか、そして種子や育苗初期の生育をより良いものにするためにどうすべきか、です。

最高品質の遺伝子

「最高品質の遺伝子を提供することは常に我々の優先事項ですが、(同様に)健全で病気のない種子が望まれています。」とセールスディレクターのMartin van der Voortは指摘します。「不純物がなく、完璧に発芽し、活力があり均一性の高い種子が必要とされています。また、我々の種子が播種するために用いられる各種機械と完璧に適合すること、そして特に育苗初期には害虫や病気から植物を保護することも必要です。」

規制

複数の講演者が、ここ数年で数多くの種子処理が承認を失った点や、近い将来承認除外の対象となりうる数多くの製品(農薬)があることを指摘しました。

Sylvie Tissot(EAME Regulatory Team Lead SPS and Seedcare, Syngenta)やGriet Vergauwe(Head of Regulatory Benelux, Syngenta)は、EU圏において規制がどのように機能しているのか、また、この制限された環境によって新製品の承認がどれほど難しいものとなっているかを説明しました。例えば新製品の開発には、新品種の開発と同様に10年から15年かかります。新しい規制ガイダンスにより、新製品が市場に出てくるペースよりも、既存の植物保護製品(農薬)がなくなるペースの方が早くなるなどの影響が出ています。このような課題があったとしても、「我々の目的は、危険性のない、新しく安全な化学物質を開発することです。」とSylvieは強調しました。

化学植物保護製品(農薬)の使用が規制されたことにより、生産者の使用する種子が可能な限り健全であることの重要性が高まっています。Bejoは、B-Mox®をはじめ、新しく改良されたプライミングおよびコーティング処理を含む、いくつもの新技術を試行し採用しています。例えば、種子の色や形状に基づいて種子を自動選別する技術や、X線やハイパースペクトル画像のような新しい技術、また温湯消毒や蒸気殺菌を使用した種子洗浄などが挙げられます。

種子の品質

種子の品質とは、生産、クリーニング、種子検査、加工、種子処理、保管と輸送、種子または作物の苗立ちなど様々な要素で構成されています。Bejoは50作物1,200品種を生産しており、オーガニックのアソートメントは45作物192品種に渡り展開しています。品質を最大限に高めリスクを軽減するために、種子は世界中で生産されており、およそ6,000ヘクタールに及ぶ屋外生産と、より安定した環境で害虫や病害を厳しく管理できる150ヘクタールの屋内生産が行われています。ミツバチは受粉と種子生産において重要な役割を果たしており、10,000を超えるコロニー(そのうち1,000はオランダ国内にあります)が80%の作物の受粉を担っています。これこそがBejoがミツバチや養蜂家に多額の投資を行う理由の一つです。

不純物がなく、完璧に発芽し、活力があり均一性の高い種子が必要とされています

Martin van der Voort

全ての種子はWarmenhuizenにある本社を通過し、各バッチは加工のすべての段階で検査されます。種子の各ロットは、本社への到着から顧客に向けて発送されるまでの間に平均して25回の検査を受けます。「種子の可用性を保証するためには種子販売後のその先まで考えなければならないので、バリューチェーン全体で協力する必要があります。」とオペレーションマネージャーのRemco Witteは話しました。      

もちろん、種子はこのバリューチェーンの最初の部分を形成します。Bejoの種子生理分野のリサーチマネージャーであるCorine de Grootは、植物の活力を評価するために使用されているいくつかの手法について論じるとともに、作物の苗立ちを改善するためにプライミング種子をどのように使用するかについて説明しました。彼女は「プライミングは、我々が行う仕事の中でも重要な部分です。」と説明しました。プライミングは、種子の中の胚に、成長を開始するのには十分で、種子が発芽するには十分ではない、ちょうどいい量の水分を与えます。「発芽の直前に種子を乾燥させることで、種子を土壌に入れればすぐに発芽を始める状態にします。」と、彼女は続けました。「プライミングは広範囲の播種条件に渡って、迅速で均一な発芽を提供するのに役立ちます。」

種子生理分野のリサーチマネージャーであるBert Compaanは、人間と同様に、種子も細菌や真菌に覆われており、それには有益なものと有害な(病気の原因となる)ものがあること、そして検査は、種子が生まれ持った病気に関する問題を特定するために利用されていることを示しました。これは、技術が急速に発達している分野の一つであると言えます。発芽種子の病気の症状を視覚的に判断する方法から、より迅速で正確な分子生物学的手法を活用した、潜在的な問題を特定する方法へと移行しています。

「種子に感染が確認された場合、我々の選択肢は二つあります。」とBertは話しました。「種子を捨ててしまうか、種子に処理を施すかです。」温湯処理と蒸気殺菌はどちらも重要で有効な手段です。また、種子処理において植物保護製品(農薬)の使用が制限されてきていますが、種子処理や種子コーティングは種子を健全に保つ上でこれからも重要な役割を担い続けていくことでしょう。

播種と土壌の健全性

種子がどのように扱われ、どのような環境で播種されるかについても作物に大きな影響を与えます。精密な播種を行うための各種機器を製造するKramerのReinoud Tepperは、作物の栽培開始にあたって土壌の種類や気候条件などを考慮するのと同様に、作物ごとに形状や大きさが異なる種子それぞれに種類に適したセットアップを使用することが重要である理由を説明しました。サプライチェーン全体が新しい技術による影響を受けているのと同様に、精密に播種するために開発された各種機器は作物の苗立ちの過程において今までにない水準の精度をもたらしています。

土壌の健全性と構成もまた、作物の苗立ちやその後の収量・品質において重要な役割を果たします。Plant Health CureのPius Florisは、植物の生育の仕方、特に根が水分や栄養素を吸収する方法について我々が持っている知識を、今こそ見直す時かもしれないと話しました。彼は、有益な菌根菌のレベルを上げることで作物の健全性や活力を向上させるだけでなく、人工肥料や化学物質によって引き起こされた土壌生態系におけるダメージを修復することができると主張しています。

Martin van der Voortが話したように、種苗会社として、Bejoは健全な種子を提供するために、あらゆることに取り組んでいます。しかし一つの種苗会社が全ての問題を自分たちだけで解決するのは不可能です。このようなシンポジウムは、業界におけるあらゆる関係者によってこうした問題が議論され、理解されるために重要な役割を果たしているのです。