2018年、Van Woerden Flevoは、有機ニンジンの洗浄装置やハイドロクーラー(冷却装置)を購入して、農場を拡大しました。それは、経営にとってよいことだと、Stefan Van Woerdenは話します。しかし、幾年かの経験によって、彼は「この仕事は、片手間にはやっていけない」ということを学びました。

Stefanの両親は、1988年に彼の祖父母から家族経営の農場を引き継ぎました。彼の祖父母は、1960年代初頭、Flevopolderに移住した時に農場を始めました。そして1994年、Van Woerdens家は、オーガニック農業へ切り替えました。彼らは、たくさんの種類の作物を育てましたが、ニンジンは21世紀初頭まで彼らの農業では扱っていませんでした。ニンジンは、Stefanが学校を卒業してすぐ、彼の両親の農場で働き始めた時に、Stefan自身とともに農場にもたらされました。

敷地内の保管場所に小屋を建てた後、Van Woerdens家は、ニンジンの作付面積を拡げました。当時、農場の作物は、ほとんどタマネギとジャガイモが占めていました。2017年にStefanと彼のパートナーのAnthoinetが両親から農場を任された時、農場は、経済力があり、健全で、特化した経営体でした。その第三世代である彼らは、新しいアイデアと野心に満ち溢れ、その農場をより良く変えたいと思っていました。そして、引き継いでから1年以内に、彼らは、最新型の洗浄装置を導入し、近隣の二つの農場を買収しました。その理由として、ひとつは処理工程に十分なスペースを確保する為、もうひとつは、輪作に対処する為でした。

「重要なのは、」Van Woerdenは、過去を振り返って話します。「かなり多くの量の“土のついたニンジン“が外国へ輸出されていました―たくさんの土つきニンジンです。それは何キロもの不要な土を運んでいることになるのです。このことから、当時、有機農業で行う作業工程全てには納得していませんでした。その上、我々のニンジンは当時ヨーロッパ中に輸出されていたので、「土のついていないきれいな」ニンジンへの需要が増えることがわかりました。そのことによって、結局我々は、ニンジンの土を落とす洗浄装置を導入することを決めたのです。」

私たちのニンジンを見てください!朝の5時に畑から収穫されます。そして、6時に洗われて磨かれ、冷暗所で分別され、7時には3度に保たれた冷蔵庫へ入れられます。とても新鮮で、見るからに素晴らしい工程でしょう。

2つの有機洗浄装置

2018年までに、Van Woerdenの農場は、2つの有機洗浄装置を導入しました。1つはニンジン向け、1つはジャガイモ向けです。小屋がその2つの装置のまわりに建てられました。そこには、“土のついた”ニンジンを移動する為のコンベヤベルト、トイレ、ランチルーム、他の装置などがありました。「装置を導入して、それを軌道に乗せるのは、簡単な仕事ではありませんでした。認定資格を取得する必要がありました。我々は、BRCフードでグレードAAの認定を受けましたが、この過程では、その認定を受けるためだけに、通常のフルタイムの駆動時間(FTE)の半分がかかります。」

今となっても、時間の制約は大きいです。洗浄装置は、数箱にしか使わなくても、1日に一度完全に洗浄する必要があります。この装置は、食品の安全性要件に従って、全てステンレススチールでできています。それによって、衛生面が守られますが、維持するにはより高い費用がかかります。

品質が生産量を決める

フロントエンド投資にもかかわらず、StefanとAnthoinetは、経営拡大したことについて後悔はしていません。洗浄装置は、Van Woerden Flevo自身の為だけではなく、彼らの仲間の生産者達にも初めからよい結果をもたらしています。仲間の生産者達は、その装置を使うために、すぐに彼らを訪れるようになりました。結果として、すぐに1人の従業員が、洗浄装置のためにフルタイムで働くことになりました。

Van Woerdens家は、彼らが洗浄装置を導入した時に、いくつかの栽培部屋を残しました。「我々にはまだ追加で生産する為のスペースがあります。しかし、注意して待っているところです。市場では、品質に関する需要が拡大しているので、高い品質レベルが設定されます―少し高すぎる、と時々感じます。何キロが大きな袋や、コンテナに入るかは重要ではありません。しかも、重さを重視すると、よりロスが発生します。それは、非常に残念なことです。未だ、それを考慮しなければなりません。これが、品質の問題が処理工程の生産量の限界を決める理由です。」

ところで、全てのニンジンが洗浄装置を通るわけではありません。「もし、消費者が求めているのであれば、収穫したばかりのニンジンを売ることもできます。我々は洗浄装置をフル稼働させる為にここにいるわけではありません。我々が一番大切にしているのは、ニンジンを栽培することなので、そのことによって、融通が利きます。買い手はこのように選択することができ、ここで彼らの作物を洗浄する同僚の生産者達も我々と同じです。」

今後の発展について

Van Woerden Flevoは就農当初から、Bejoの品種を栽培してきました。彼らは、年の初めに早生品種から栽培し、それからナイロビやネラックにシフトします。「2期作目は定番のニンジンの品種です。しかし、いつも依然として支持されているので、未だに1番手です。有機栽培のエキスパートとして、新しい品種、特に早生品種や保管に優れたものを開発し続けるBejoに、強く期待しています。そして、それが農業のあるべき姿です。土地の価格は上がってきているので、我々もそれに対処する必要があります。高くなってきている農場にかかる費用の埋め合わせをする為に、生産量や品質を上げていく必要があるのです。」