タマネギセット球の生産者であるBroer BV社は、今年施設を拡大し、オランダのAndijk村の敷地に、有機栽培品種と慣行栽培品種の貯蔵と処理のための、新しい倉庫を増設しました。同社は、最新技術を利用したサスティナブルで近代的な建物に投資してきました。特筆すべき点として、圧縮乾燥システムを動かす持続可能なヒートポンプが挙げられます。光レーザーを使った超近代的なタマネギセット球の選別システムも用いられています。
この増設については、有機栽培および慣行栽培のタマネギセット球に対する需要拡大を長い目で予測するBejo社とDe Groot en Slot社に対してBrore社が対応した形です。一企業として他社との足並みをそろえていくべきだと、ジェネラル・ディレクターのSiem Beersは話します。「出荷する期間は限られています。我々は、より短い期間により多くの製品を供給したいのです。生産者の方々にタマネギセット球を待たせるわけにはいきません。」Broer社はまた、一連の有機栽培のタマネギセット球を一つの場所でまとめて貯蔵・処理したいと考えています。「これまでAndijk村とCreil村の両方で管理していましたが、それは実用的ではありません。そのため、運営を最適化するために、全ての有機栽培製品の部署をAndijk村の新しい施設に移動することにしたのです。」
CO2ヒートポンプ
3700平方メートルの倉庫が、Broer社の社内建設業者であるBouwbedrijf Bosmaによって建設されました。建設資材の不足によって工事が多少遅れたにもかかわらず、新しい収穫期前にその格納庫をなんとか作り上げることができました。Broer社は、最新のテクノロジーを備えたサスティナブルな建物を選択しました。最も環境に配慮した投資としては、圧縮乾燥システムを動かすCO2ヒートポンプです。この装置の利点は、乾燥だけではなく冷却にも使用できるところで、Beersは次のように話します。「冷却することで熱が発生し、その熱を乾燥に利用することができます。」
ただし一つだけマイナス面があります。オランダ政府のエネルギー転換の促進により、Broer社にはヒートポンプをフル駆動するための十分な電力容量がありません。「地域全体がこの問題で行き詰っています。」とBeersは話します。「北ホラント州の電力ネットワークはひどく時代遅れです。誰かが何かしようとすると、同じ問題にぶつかります。政治家は風力発電や太陽光発電を奨励しますが、それらの電力は全て輸送される必要があるという事実については思案しません。十分なkVA(キロボルトアンペア)の電力が供給されないがために、ヒートポンプをフル駆動できないと説明するのは奇妙なことです。我々は、十分な電力を得るために、ヒートポンプの隣に発電機を置かなければなりませんでした。」
選別の処理能力を2倍に
新しい施設にはまた、光レーザーを使用した超近代的なセット球の選別システムも備えており、これにより選別の処理能力が2倍になりました。「我々は、今や生産ラインにこれまでのような多くの人員を必要とせずに、最高品質のタマネギセット球を供給することができます。」とBeersは話します。Broer社はまた、梱包機器の増設も行ってきました。施設内には2つの準備室があり、熱をうまく分散させるための床下装置と、外からの空気を取り入れるための壁の開口部を備えています。「天気がいい時には、開口部のシャッターを開け電力を節約します。」とBeersは話します。Broer社は、Andijk村の拡張施設と、Creil村内のもうひとつの拠点で、会社の成長とQuality Insideブランド(訳注:Bejo社とDe Groot en Slot社によるタマネギセット球のブランド品種)の向上の為の基盤を築くことを目的としています。
Andijk村での新しい建設により、北ホラント州でのBroer社の計画はステージ1までが終わりました。ステージ2は2023-24年に計画されていて、4つの古い建物を改修・拡張し、梱包処理能力を向上させる予定です。ステージ3では、予算が固まり次第、新しい事務所と池を建設する予定です。「我々は、将来に向けて多くの野心を抱きつつあります。」とBeersは、締めくくります。