Bejoは設立当初から、有機栽培向けの品種改良や種子生産を通常の事業範囲の一部として統合しています。有機栽培と一般的な(非有機)栽培の両方の品種改良プログラムを持つことにより、大きな相乗効果がもたらされるのです。

Bejoは1996年からオーガニック種子を生産しています。ほんの一握りの作物の限られた品種から始まり、この22年間で幅広いラインナップへと成長してきました。今ではBejoのオーガニック種子は、40種類以上の作物から150品種が対象となっており、その数は今も増え続けています。我々にとって最も重要な市場は西ヨーロッパと北アメリカです。Bejoは現在、オランダでの有機農業における供給を拡大しており、Rumours (アイスバーグ) やAgribel (バタヴィア)といったレタス品種も対象となっています。

有機栽培に適する品種の選抜

「Bejoは最初から、オーガニック事業を完全に会社の一事業として統合してきました。」と、オーガニック事業部のコーディネーターであるBarm Weijlandは話します。これにより、新しいビジネスチームはBejoが何十年にも渡って築き上げてきた、種子生産や品種改良の専門的な知識の恩恵を受けることができるのです。また、Bejoのブリーダーは有機栽培に適した品種の選抜をより的確に行なえるよう、これまで長い年月をかけて蓄積された品種や系統のデータを利用することができます。

より大きなスケールで考える

Bejoが持つ世界中に張り巡らされた基盤設備も重要な役割を果たしています。「Bejoの一員として我々は大きなスケールで考えることができます。」とWeijlandは言います。「例えば、主要な国はすべて、有機栽培向けに多数の従来の交配種からも選抜することができる、オーガニックのための試験圃場を所有しています。もし、これがオーガニック品種からしか選択肢がなければ、規模は縮小されてしまいます。さらに、有望な交配種は最終的に販売用として選抜される前に、数年に渡って有機栽培の条件下でテストされます。」

このスケールの大きさによって、Bejoは種子のコーティングに代わる技術のような、イノベイティブなソリューションも開発できます。「一般的な栽培では、殺菌剤を含むコーティングを種子に施すことで作物の発芽や初期成育を保護してきました。しかし、有機栽培となるとこれができないのです。Twente大学と協力して、我々はコーティングの代わりになる非常に優れた技術を開発しました。今では、例えば温湯処理を利用して種子を事前に消毒しています。」とWeijlamdは話します。

他家受粉

Bejoのオーガニックに関する活動は、これまで一般的な(非有機)栽培によって蓄積されてきた知識や経験から恩恵を受けています。そして従来の(非有機の)栽培もまた、オーガニック分野から多くのことを学んでいます。と話すのは、西ヨーロッパのエリアマネージャーでありオーガニックのビジネスマネージャーでもあるBart Kuinです。「『オーガニック品種の育種』が通常の事業範囲の中に統合されていることで、興味深い他家受粉(相乗効果)を生みます。Bejoは一定の方法で生産管理を行なっており、人工肥料や化学農薬も役割を果たしています。しかし有機栽培は、そういったものを使わずに行う必要があります。そのため、生産方法を異なる視点から考えなければなりません。病気や害虫への対策がより難しくなるのは言うまでもありません。栽培システムをこれまでとは違う方法で管理することで、病気や害虫の被害を防がなければならないのです。」

たくましい品種への需要

「これは従来の品種においてもより重視されるようになってきています。」とKuinは言います。「肥料や農薬の使用における制限が厳しくなっている現状があるからです。我々は、土壌や作物の活力に改めて注目し品種の選抜を行っています。市場では、優れた耐病性や土壌に含まれる栄養素を最大限活用するための強力な根系システムを備えた、たくましい品種が必要とされています。」実際、従来の品種とオーガニック品種が目指すところは近づいてきているとKuinは言います。「我々は、今後もリーディングカンパニーであり続けたいと考えています。高収量と高品質を備えた、サスティナブルな栽培を促進していきます。それはすべて、最良の品種の最高品質の種子から始まります。」

揃いが良く高品質な交配種

Bejoはオーガニック市場向けに最新の交配種を開発していると、オーガニック事業部コーディネーターのBarm Weijlandは話します。「交配種は、大規模な小売業者向けに野菜を生産する、現代のプロフェッショナルな生産者をターゲットにしています。この市場は、耕地面積全体の90パーセント以上を占めています。」

交配種によってもたらされる利益は大変魅力的です。まず何より、品質やヘクタールあたりの収量が優れています。また、圃場の管理、とりわけ機械化された除草に必要な圃場の均一性が確保できます。

オーガニック Right from the start

1990年代、Bejoは他の種苗会社に先駆けてオーガニック・プログラム(有機栽培向け品種開発)を通常の事業範囲の一部として統合しました。家族経営事業体として、有機市場への投資には長期的な戦略に基づいたサスティナブルなアプローチが不可欠であると考え、地道に研究開発を続けてきました。我々は現世代のためだけではなく、これからの世代のためにも、限られた天然資源を無駄なく有効に活用するべきであると考えています。

有機栽培と一般的な(非有機)栽培の両方を対象とした品種開発プログラムを持つことによりもたらされる相乗効果は計り知れません。有機栽培の研究を通じて得られるノウハウ、知見などは一般的な(非有機)栽培を想定した品種開発にもひらめきや新しいアイディアをもたらしてくれます。一方でこの100年間、我々が品種改良を継続し、築き上げてきた知識、経験、育種や基礎研究に必要な基盤設備などは、有機栽培向けの品種改良を発展させるためにも活用できます。有機栽培向けの育種プログラムを推進させることで、我々Bejoが保有する品種改良の基礎となる幅広い遺伝資源や最新の科学技術をより有効に活用することができます。有機栽培向けの品種改良を通じて、収量性と幅広い適応性を兼ね備えた品種を開発することが可能となり、同時に、より品質の高い種子の生産・供給が可能となり、ひいてはさらなるイノベーションの創出にも繋がってゆくのです。有機栽培向けの品種改良、オーガニック種子の供給を通じて、ヘルシーでおいしい野菜のサスティナブルなサプライチェーンの発展に貢献します。