有機種子の市場は、近年急激に拡大しています。有機種子の急速な需要増加に対応するため、種子生産の増大が必要に迫られています。成長速度に追い付き、在庫を維持するには、Bejoの生産チームや協力いただいている種子生産者の皆様の最善の努力が必要です。将来の課題に向けて対応するために、設備投資をし、世界中の経験豊富なパートナーと提携します。その一つが、ポルトガル東部に拠点を置く有機種子会社、Sementes Vivasです。

これまで、ヨーロッパやアメリカの専用生産施設では、有機種子の需要の高まりに追い付いてきました。我々は、ハウス等の施設内における種子生産を管理することに力を注いでいます。しかしながら、EUの生産者がすべての作物に有機種子の使用が義務付けられる2035年までに、生産施設を2倍にすることが必要だと予想しています。それは、長い道のりのように思えるかもしれませんが、有機生産の面では、今まで培ってきた経験から、我々にとっては不可能ではありません。

露地野菜

我々はまた、ニンジン、ビーツ、タマネギなどの大規模に栽培される露地野菜の種子生産の課題にも直面しています。

初めに、有機種子の生産に適した土地、すなわち適切な気候条件と病害の発生が少ない土地は、不足しています。二番目に、意図しない交雑を防ぐために、異なる作物を隔てて生産するための十分な土地を確保する必要があります。最後に、熟練した有機栽培によって採種を行うことのできる献身的な生産者の皆様に出会うことは、難しいことです。そして、これら全ての要素を同時に満たすことは、困難であるといえます。

将来の課題に向けての協力

これらの観点から、Bejoは有機種子を生産するために、常に新しいパートナーを探しています。我々の高い基準を満たすパートナーを見つけることは、容易ではありません。そのような中で、新しいパートナーの一社となったのが、Sementes Vivas (ポルトガル語で“生き生きとした種”)です。ポルトガル東部の有機種子会社です。有機農業への情熱を分かち合う、Wageningen大学を卒業した二人の若者によって運営されています。Sementes Vivasのウェブサイト、www.sementesvivas.bioでは、彼らの仕事の魅力的な一面と、経営理念についてご覧いただけます。

有機種子生産において、最高の結果を得ることは、例えば、チャンピオンズリーグやスーパーボウルのような場でプレイをする一流選手になるようなものです。我々のような採種を行う生産者達は、あらゆる課題に向き合います。それは、雑草、病害や作物をおびやかす様々な害虫などです。我々は、これらの脅威のほぼ全てについての対策をよく心得ています。しかし、我々が有機種子の急激に増加する需要に追い付くには、道のりはまだ長いです。

Wil Jorink
ヨーロッパ・アフリカ地域マネージャー

実践で学ぶ

2018年に出会ってから、互いの会社、仕事の方針、社風について理解を深めた後、2019年に、BejoとSementes Vivasはポルトガルの気候下でのBejo品種のパフォーマンスをテストする、最初の開花試験を始めました。通常の手順では、我々が長年培ってきた品種群を構成する親系統の基礎的な試験栽培から始めます。我々は、今年で2年目を迎え、圃場では、共同として初めてとなる有機種子生産が行われ、昨年試験栽培された作物は収穫されました。共に学び、経験を分かち合い、種子生産に関する全ての鍵となる情報を共有しています。我々は、この2年間を通じて親密な関係を築き、これまで前途有望な結果を得たことに、誇りを持っています。

確固たる基盤の上に、我々は、末永く実り多き協力関係を期待しています。